忍者ブログ
蝶になった夢を見るのは私か それとも 蝶の夢の中にいるのが私なのか 夢はうつつ うつつは夢


[99]  [100]  [101]  [102]  [103]  [104]  [105]  [106]  [107]  [108]  [109
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

タイトル名がとてもよく似たブログを見つけてしまったので
こちらのタイトルを変えることにしました。

「夢」を取って、「想日」に。
(変えたというほどには、あまり変わってませんが……)

名前の元となった「日々是好日」とも語呂があってるし
なんか、いいかな、と。
参加ランキングの登録も順次変更しました。

今後は「日々是想日(ひびこれそうじつ)」で
毎日さまざまなことを想いながら書き進めていきたいと思いますので
よろしくお願いします。

PR

この前貼り付けたemo、かなりお気に入りです。
ホントに和むなー。
「TALK」押したら、フワフワ漂ってくれるのも、なんかラブリー。

でも、なかなか変わってくれない。
ブログを更新したら、変わるんじゃなかったの?

というか、更新そのものを認識していないみたいで、
21日も書き込みしたハズなのに、最終更新日が20日のままになっている。

どんどん変わるっていうから、楽しみにしてたのにぃ。

とりあえず後1日待ってみて、それでも変化なしだったら問い合わせてみよう。

「でも、肝心のサフィラ様はサリナス様のことをただの 『魔道騎士仲間』 としてしか見ていないようよ。色めいた様子なんてまったくないのが見ていて分かるもの」

「それは、サリナス様も同じね。あの方、サフィラ様を弟か何かのようにしか見ていないわ」

それを言うなら 『妹』 でしょ、とトリビアがリヴィールをたしなめる。もっとも、トリビアにしても妹の意見にまったく反対というわけではなかったが。
自らを 「私は女だ」 と断言する割には、サフィラ自身いつもそのことを忘れているように見えるのだ。

「どちらにしてもサフィラ様は王族、サリナス様は一介の魔道騎士。結び合うことはないお二人ではあるけれど、あれだけの方をいつもお側で見ているんだから、サフィラ様もせめてもう少し娘らしいときめきや甘酸っぱい感情っていうものを感じていただければ、と思うんだけど」

「でもねえ、サリナス様も根は真面目な方だから、そういう雰囲気にはならないんじゃない? それにあの方も魔道一筋の、まあ何というか、その、カタブツだし、今のところはサフィラ様と甘い雰囲気になるなんて考えられないんじゃないかしら」

結局その時は、自分達が期待しているような甘やかな思慕の念をサフィラから引き出すことは不可能なのだろう、というところに話は落ち着いた。

しかし今、婚礼を迎えるサフィラを目の前にして、果たしてそのような、ある意味純粋とも言える無菌の状態のままでサフィラが結婚してしまうのは、一人の娘として良いことなのだろうか、仮に良しとしても、その後に複雑な男女の心の機微というものを夫との間に育むことができるのだろうか、という点だけが二人の気がかりではあった。
それでいて、万が一サフィラが誰かと恋に落ちたとして、二人で寄り添って歩いたり愛の言葉を囁いて微笑んだりするサフィラの姿などまったく想像できない、というのも正直な想いであった。


さて、そのサフィラである。
二人の侍女に未来の夫婦生活を心配されていることなど夢にも思わず、サフィラはひそかに描いている誰にも聞かせられない企みを頭の中で繰り返し段取りしていた。

脱出は式の前夜にしよう。そして、そのまま国を出て、しばらくアクウィラにでも身を隠すのだ。
王も后もさぞかし焦るだろう。娘が婚礼を自ら破談にしたことで父王の面目はつぶれ、フィランデとの友好にも影が差すかもしれない。しかし、フィランデの王と父王は若い頃から友人付き合いをしていたというし、さほど深刻な事態にはならないだろう。
10日あるいは20日経った頃には婚礼話もすっかり影を潜めているだろう。
(そう決め付けるところがサフィラの無邪気な、あるいは世間知らずなところであるが。)
そこで、頃合を見てヴェサニールに帰国する。

恐らく父王と后からはこれまでにないほどの叱責を受けるだろうが、大して苦ではない。
サフィラとしては、自分の意志を無視して事を進めようとすれば、いつだって無茶をする覚悟が自分にあることを両親にきっちりと示しておきたいのだ。二人の肝が冷えれば、それで充分なのである。

単純で、ある意味稚拙な計画ではあったが、サフィラ自身は成功を疑わなかった。
ただ、一つだけサフィラの心を曇らせていることがあった。

城を抜け出すことを、サリナスにだけは打ち明けた方がいいだろうか。

自他ともに親友と認めるこの魔道騎士に対しては、どんな隠し事もしたくないというのがサフィラの本音である。実際、今まではどんな事も包み隠さず話してきたし、悩ましい出来事が起こると誰よりも真っ先に相談してきた相手である。サフィラよりも幾分年長のこの青年はそのたびに真面目に考え、サフィラが「成程」と納得できる言葉を返してくれるのだ。
時にはサフィラの口の悪さに苦笑しながら。そして、時には軽い憎まれ口を叩きながら。

だが。
今度ばかりは、恐らくサリナスも反対するに違いない。
基本的に分別らしく良識的なサリナスの性格はたいていの場合美徳とされるが、サフィラの我儘な計画を受け入れてくれるほど寛容ではない筈だ。

サフィラは小さくため息をついて寝台に寝転がった。お疲れですのね、と声をかけたリヴィールに曖昧な返事を返し、窓から差し込む陽の光に視線を向ける。そのやわらかさは既に一日の夕刻に差し掛かっていることを告げた。

一応、言うだけ言ってみるか。反対されるとは限らない。

そう思ってみたものの、それがただの気休めであることはサフィラも充分承知であった。


          → 第三章・悪巧み 5へ

ブログ始めて、ようやく1週間たちました。
ここにきてやっと、書き込み作業にもなれてきたかな、という感じ。

でも、まだ友人、知人にはブログを立ち上げたことを公表していません。
皆、私が小説を書いているなんて思ってもいないだろうし
特に「ファンタジー」を書く人間だなんて絶対思われていないのは分かっているので
それを告白するのが、まだ何となく照れくさい……。

こういうところが、EMOで分析された「内向的」ってやつ?

でも、やっぱり恥ずかしいんですよね。
普段見せてない自分の一面を知られる、というのが。

今までに自分の書いた小説を見せたのは、たった一人だけ。
学生の時の友人で、「水晶物語」のさわりの部分をチョロっと読んでもらいました。
ファンタジー好きな友人だったので、
二人で「この後どうなるの?」「それはねー」とか言いながら
盛り上がって話していたのを覚えています。

会社に入ってからは、
お世話になった先輩に、仕事のことで打ち合わせをした時
一度だけ「もっと文章とか書いてみたいです」的なことを言ったことがあるんですが、
その人は、その言葉をずっと覚えていて
会社を辞めた時に、「小説とか書いてみれば?」と勧めてくれました。

何年も前の雑談程度の話だったのに覚えていてくれたんだ、と思うと
あれは、ちょっとうれしかったなあ。
文章そのものを見せたことはないんですが。

照れくささがいつになったらなくなるのかは分かりませんが
そのうちに、その時の友人や先輩に
「今、こんなの書いてます!」とお知らせできるようになればいいなと思う、今日この頃でした。
HNを Junny から Junie に変えました。
というか、ホントは最初から Junie にしたかったんですが、私が綴りを間違えていただけの話。

このHNは、とある小説の登場人物からいただきました。
『愛してるといってくれ』という、マージョリー・ケロッグという作家さんの作品です。

この小説を初めて読んだのは、かなり昔なんですが
何というか、読んでショックを受けました。

主要な登場人物は三人いて、その一人がジュニー・ムーン。
気を失うまで男に殴られ、挙句に硫酸をかけられて顔がくずれてしまった女。
もう一人は、ウサギを撃ちに行って、背後から友人に背を撃たれ、脊椎麻痺になって車椅子で生活する男。
そして最後は、神経性の奇病におかされた男。

病院で知り合ったこの三人が、退院後に一つの家で一緒に暮らそうと決めて……というのが
物語のスタートです。

読んでいて、時々ツラくなる話でした。

三人とも、自分の体に問題があることを分かっているので、性格もヒネてしまい、
ことあるごとに対立するんですが
最後まで読み終えた時に、
「こんな形の愛情もあるのか」と、何となく泣きたくなったことを今でも覚えています。

それ以来、この本は今も本棚の一番手が届きやすいところに置いてあります。
いつも目を通すわけではないですが、思い出すと読みたくなる、そんな本です。

映画化されているらしいですが、そちらは見たことありません。
(『愛しのジュニー・ムーン』というタイトルらしい。作者自らの脚本とのこと)

この本と出会ったのはまったくの偶然で
たまたま立ち寄った古本屋でタイトルが目に留まり、つい衝動買いしました。
100円で投げ売り状態だったし。

で、なぜ、このジュニー・ムーンの名前をHNにしたのかというと
『ジュニー』という名前から受けた不思議な感覚が一番の理由です。
ジャニーでもなく、ジニーでもなく、
ジュニーという聞きなれない語感が、とても印象的でした。

それと、もう一つの理由は
物語全体の切なさが、どうしても忘れられず……というところでしょうか。

早川文庫で、初版は昭和47年という古さ。
絶版になっているかもしれませんが、もしも見かけることがあったら読んでみてもいいのでは。

まあ、決して明るく楽しい話ではございませんが。

「ところで」 サフィラは話を変えた。
「フィランデからの使者は式までヴェサニールに滞在するのか?」

「そう聞いておりますわ」と、トリビアが答えた。
「タウケーン王子の先触れとしてのお役目ですから、このまま王子をお迎えになるということです」

「ふうん。ご苦労なことだな」

「お使者様といえば、素敵な方でしたわねえ。整った甘いお顔立ちで」
リヴィールがうっとりとした表情を見せる。
「中性的なサフィラ様とはまた違った魅力を感じましたわ」

「あら、それは私も思ってよ、リヴィール」負けじとトリビアが言い返す。
「お背も高くてすらりとした体格で……城の女性は皆見とれていましたわよ。タウケーン王子もたいそう美男子と聞いておりますし、フィランデにはそういう方が多いんでしょうか」

「そんな男前だったか? にやにやして軽そうなヤツに見えたが」

「まあ、サフィラ様ったら、あんなに間近でお顔をごらんになったのに、何ともお思いになりませんでしたの?」

「丸暗記した台詞を口にするのが精一杯で、まったくお思いにならなかったぞ」

サフィラの答えに、意味ありげに顔を見合わせた双子が、ふう、とため息をつく。

未成熟な体格と同様に、精神面においてもまた、サフィラは同じ年頃の娘達に比べてかなり歩調が遅かった。15といえば、そろそろ異性への興味に目覚めてもいい頃合なのに、サフィラの関心はひたすら剣術と魔道に注がれるのみで、それ以外に向けられる対象がないというのも二人の侍女にとっては何とも歯がゆい状態であった。

もっとも、これについてはサフィラの性分うんぬんだけを責めるわけにはいかない。
王族というやんごとない立場にある以上、気安く男性と接する機会がないのは仕方がない話だ。しかし、城内にも年頃の男性は多くいる。容姿の良し悪しは別として。
それらの者に、もう少し世俗的な関心を抱いても、それは自然なことではないのか、というのが二人の思いである。

やんごとない身分といいつつ、その割には、しょっちゅう城を抜け出して街へ降りているサフィラだが、それでも今のところサフィラにもっとも近しい異性といえば、同じ魔道騎士の友人であるサリナスぐらいしか見当たらない。

では、サリナスはどうだろうか。

いつだったか、トリビアとリヴィールはサフィラの留守に繕い物をしながら、自分達の女主人の唯一親しい若き魔道騎士について、憶測の波を広げたことがあった。

「サリナス様は街でも評判の方よ。艶やかな黒髪に端正なお顔立ち。それに、あの青い瞳。あの方に焦がれている娘達がどれだけいるか」

「そうよねえ」妹の言葉に、トリビアは針を持つ手を止めた。
「ご気性も穏やかだし、お優しいし。そういえばリヴィール、あなたもサリナス様のことを少しは気にかけていたんじゃなくて?」

「それはお姉様も同じでしょ」リーヴィアが言い返す。

どうやらこの双子の姉妹もサリナスを憎からず思っている娘達の中に含まれているらしい。


          → 第三章・悪巧み 4 へ

プロフィール
HN:
J. MOON
性別:
女性
自己紹介:
本を読んだり、文を書いたり、写真を撮ったり、絵を描いたり、音楽を聴いたり…。いろいろなことをやってみたい今日この頃。
最新コメント
承認制なので表示されるまでちょっと時間がかかります。(スパムコメント防止のため)
[02/07 名無権兵衛]
[06/20 ななしのごんべ]
[05/14 ヒロ]
[04/19 ヒロ]
[11/06 ヒロ]
いろいろ
ブログパーツやらいろいろ。
※PC環境によっては、うまく表示されない場合があります。


●名言とか





●ブクログ





●大きく育てよ、MY TREE。



●忍者ツール



ランキング参加中
カレンダー
12 2025/01 02
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
月毎の記事はこちら
ブログ内検索
携帯版バーコード
RSS
Copyright © 日々是想日 All Rights Reserved.
Powered by NinjaBlog  Material by ラッチェ Template by Kaie
忍者ブログ [PR]