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蝶になった夢を見るのは私か それとも 蝶の夢の中にいるのが私なのか 夢はうつつ うつつは夢


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今から約400年前のこと。
一人のお殿さまが金沢へ入城し、藩祖となりました。
前田利家さんです。
金沢の礎を築いた、とってもエライお殿さまです。

で、その偉業をしのんで
毎年6月になると、金沢では「百万石まつり」が開催されます。


長いこと金沢に住んでいながら、
実は、この祭りをじっくり見たことがなかったので
時間もあることだし、高岡からマミーもやってきたし、
親子で行ってきました。


メインイベントは百万石行列。

毎年、有名人がやってきて前田利家に扮するのですが、
今年は山下真司さん。食いしん坊ウン代目です。
スクールウォーズの人、とも言いますが。

で、前田さまの奥方である 「お松の方」 には、石野真子さん。

2人の芸能人以外にも、
地元の消防団や自衛隊、企業の人々、学生・児童が

こんなことしたり、



こんなことしたり(加賀鳶ね)、



こんなことしたり(バトントワリング)、



時代衣装を身につけて




街中を行進するのです。

山下氏と石野さんの写真は撮ったけど
ゲイノー人なので、載せるのはやめときます。


しかし、長かった。

途中で獅子舞とか演奏とかがあるので、行列の先頭から最後尾まで、2時間以上。

山車や神輿は出ないので、勇壮な祭りというわけではないですが
加賀百万石の雅に満ちた、おっとりと優雅なお祭りでした。


でも、座りっぱなしで、逆に筋肉痛。

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アリヲは、ダウンエリアで父親と二人暮らしをしている12歳の少年である。

全体的にひょろりと細長い体型をしていて、
そう見えるのは、実際に肉の薄い体つきをしているせいもあるが、
胴体から突き出ている両手両足が普通よりも長めだからである。
標準体型の子どもの頭と爪先を引っ張って伸ばしたような、
そんな印象を見る者に抱かせる。
貧弱ではあるが、実年齢より2歳分ぐらい年上に見られることも多い。

赤毛、というよりもそれ以上に明るい髪の色はむしろオレンジ色に近く、
大きな瞳までが同様の色を帯びているため、少々特異な風貌に見えなくもない。
しかし、色白な顔にはそばかすが点々と浮かび、悪戯めいた表情は
この辺りを根城にしている大勢の子どもたちと変わらない。

数年前、事務所を開いた頃に、とある事件で知り合った J とアリヲだが、
それ以来、このオレンジ髪の少年は妙に J になついていて、
事務所にふらりと遊びに来ることもよくあった。

「どうしたの、コワイ顔して」

変声期前の少し高めの声で、アリヲは J の顔を覗き込みながら尋ねた。
オレンジの明るい瞳が J の目の前でガラス玉のようにくるくると回る。

「コワイ顔?」 J はちょっとムッとした表情を作ってみせた。
「失礼なヤツだな、会うなり」

「だって、J のここンとこにシワがある」 アリヲは自分の眉間を指差した。
「あ、わかった。諛左とまたケンカしたんでしょ」

「違う」 憮然として J は即答する。

諛左との関係を言葉で端的に表現するとしたら、むしろ 『冷戦』 だ。
J は心の中で補足した。
ケンカできるほど健康的な間柄ではない。
何よりも同じ土俵に立たせてくれないから、ケンカにもならないのだ。
……などという情けない言い訳は、もちろんアリヲには黙っている。

「じゃあ、千代子さんにまた怒られたの?」 アリヲは無邪気に続ける。
「『ミス J、最近タバコの吸いすぎです』 とか何とか言われた?
タバコじゃなくて、『お酒の飲みすぎです』 の方かな?
それとも、またケーサツに嫌がらせされた?
あ、分かった。ホントは仕事がなくって困ってるだけでしょ」

「……アリヲ、お前はひとんちの事情を知りすぎです」

矢継ぎ早に繰り出されるアリヲの言葉は、J のこめかみにピシピシと突き刺さる。

事務所に顔を出すアリヲを、J は一度も追い返したことはない。
しかし、そんなふうに大人の世界を気軽に垣間見て
挙句の果てに世間の事情通になってしまう状況というのは、
子どもの情操教育上、あまりよろしくないのではないだろうか、などと、
ガラにもなく道徳的なことも考えてしまう。

「お前が今言ったのは、全部 『いつものこと』 だから、今さら腹を立てることではありまセン」

それも情けない話だが。
J は心の中で舌を出した。

「じゃあ、なんでそんなカオしてんの?」

予想が外れて面白くなさそうな顔を近づけながら、再度アリヲが尋ねる。
『そんなカオ』 というのは、つまり先程アリヲが指摘したように
眉間にシワを寄せた不機嫌そうな表情のことである。

どうやら先程まで頭の中を巡っていた 『イキル』 という問題が、
いつのまにか J に、思索に悩む哲学者の顔つきをとらせていたようだ。

「んー、ちょっとね」 J は頭をかきながら答える。
「人生における深遠なナゾについて、考えたりしていたワケさ」

「シン…何? ナゾ?」

「何でもない」

まさか、わずか12歳の少年に
『いや、実はだな』 と人生の虚無について打ち明けるわけにもいかず、
言葉を濁した J は物思いを打ち切るように背伸びをすると、アリヲの方へ顔を向けた。



→ ACT 4-7 へ

一休みしている J の目の前を、幾人もの住人たちがぱらぱらと通り過ぎていく。

親子連れ。
恋人たち。
子供たち。
老人たち。

一日中、こうやって座っていたら、一体何人の人間が目の前を通っていくだろう。
煙草の煙ごしに見え隠れする人々の表情に目をやりながら、
J はどうでもいいことを考える。

100人? 200人? それ以上か。あるいは以下か。
その100人だか200人だかの人々には、それぞれの暮らしがある。
100通りの生き方、200通りの人生。
似通っているようで、決して同じではない、そんな人生が集まって構成されている世界。
自分も、そのシステムの中に確実に生きている。
その他大勢のうちの一人として。

不思議だ、と J は思う。
取るに足らない一人の人間に過ぎないのに、
自分がいなくなっても、世の中は何も変わらないのに、
そんな事実とは関係なく、自分という存在が 『イキテイル』 ことが。

突如、寂寞とした空しさが J の心に忍び寄る。
それは、これまで幾度も J の隙を見ては襲い掛かり、
ひととき J の内側を荒らしては霧のように消え去ってしまう、
幼い頃から物慣れた感情だった。

『イキル』 ことの価値。
J には、それが明確に見出せない。
何のために、どうして、という単純な疑問形に、今までに答えが出たことはない。
一部のモラリストは言うだろう。
『ヒトの命、それ自体に価値がある。
その尊い命を燃やしてイキテイクことには、何らかの意味がある』 と。

では、今、J の目の前を歩いている人々をつかまえて
『あなたが自分が命を燃やしてイキテイルことに
どんな意味がありますか?』 と尋ねたら、
すらすらと答えられる人間は、一体どれだけいるのだろう。
100人、200人、いや、何億人という人間達の、個々の存在価値は?
そして、J という人間の存在価値は?


イケナイ、イケナイ。
J は新しい煙草を取り出して、火をつけた。

価値があろうとなかろうと、自分がイキテイルというのは事実。
それを、勝手に迷路の中に落とし込んではいけない。
そこから抜け出せる方法なんて、今までに見つかったことがないのだから、
今考えても思いつく筈がない。

そこまで考えて、必ず J の思考は停止する。
自分で自分に問いかけておきながら、
答えを出さずに曖昧な結論で終わらせるのは、J の得意技だ。

心の中に湧き上がる軽い自己嫌悪を無視しながら
J は煙草の煙と一緒に、はかないため息を吐き出した。


「 J 」

ぼんやりと街の光景を眺めていた背後から、幼い声で名を呼ばれた J は
ゆっくりとした動作で振り返った。

J の視線の先に、一人の少年の姿があった。
古びた建物の間にある路地からあどけない顔を覗かせて、
明るい色の瞳を J に向けている。

「ああ、アリヲ」

J が声をかけると、アリヲと呼ばれた少年は小犬のように跳ねながら近付いてきた。



→ ACT 4-6 へ

雨が上がったので、久しぶりにカメラを持って公園へ。

いつのまにかバラが満開。



というよりは、もう花が開きすぎてますが。

赤、黄色、ピンク、クリーム色、なんとも鮮やかです。
紫のバラもあり、思わずガラスの仮面を思い出してしまった。




情熱の真っ赤なバラ。
雨のしずくがみずみずしい。


で、紫のバラの人……ではなく、紫のバラそのもの。



ちょっとピンが甘くなっちまったい。




ダブルトーンのバラも。


花っていいなあ。
無条件で美しいです。しみじみ。
とりあえず、ローな気分からようやく浮上いたしました。

今日、半年ぶりぐらいに会った人とお昼ゴハンを一緒したんですが
(ちなみに、その人も私がいた会社に在籍していた人で、
1年ほど前に会社を辞めて、今は新しい職場で勤務中)
ワタシもヘコんでいたけど、その人も超絶ブルーが入っていて、
なんとなくどんよりしたランチタイムになり……かけたのですが。

お互い言いたいことを言い合っていたら、
なんか結局、2人ともヘコミの原因とかどうでもよくなってきてしまいました。

で、浮上です。

基本的に、2人ともグチを言うのが嫌いな性分なんですが
(だって、グチっても状況変わらないし)
内に溜めるよりも、外に出してしまった方が心が晴れる場合もあるのだな、と。


ということで、心配メールくださった方々、ありがとうございます。
復活ナリよ。

ヘコんでいた期間を思うと、
「意外とお手軽に浮き上がれるのね、ワタシって」 と、逆にバカバカしく思えます。

まあ、ここまでヘコむようなことは、今後3年はないでしょう (と思いたい)。

その日、街中は意外にも人通りが多かった。
事務所の近くに住んでいる顔見知りの人々へ挨拶代わりに手を上げながら
J はいつもよりもほんの少しだけ活気づいて見える辺りの風景に目をやった。

ああ、そうか。J はようやく思い出す。
そういえば今日は休日だった。


平日であれば、午前11:00をまわった今の時間帯は、
真っ当な人間なら会社なり工場なりで労働に勤しんでいる頃である。
ぶらぶらと当てもなく街中をさまよったり、
見るからに暇を持て余しているような人影はほとんど見られない筈だ。

自分自身が、曜日や時間に囚われない生活を送っていることもあって、
時々J は、世の中の暦の流れに対して無頓着なところがある。
何でも屋の J としては、動かなければいけない時は、休みであっても動く。
そして仕事がなければ、ウィークデイでも寝っぱなし。
時間の波に押されて動く世間とは異なる軸で生きている。

そんな J の暮らしぶりを見て、自由度の高さを羨む人々もいるが、
会社勤めと違って先行きの 『保障』 がないことを J がほのめかせば、
成程、と肩を竦めてしまう。

結局、安定志向の彼らにとっては、
いつどうなるか分からない、そんな危うさと隣り合わせの自由は
一種の賭けにも等しく思えるようで、
『自由』 という言葉が持つ本来の魅力も半減してしまうらしい。

自由業 -フリー・ランス- とはよく言ったものだ。
制約からの自由。
束縛からの自由。
そして、安定からの自由 (それを人は 『不安定』 と呼ぶのだが)。

稼がなきゃならない分には、同じなんだけれど。
それは口に出して、そして心の内で J が何度も繰り返してきた言葉である。
資本主義の基本構造からは、気紛れな J といえども逃れることはできないのだ。

だが、今日は休日。

ともすれば人生の憂いを生み出す労働者の絶対真理を
J は無理やり頭の中から追いやった。
世の中の流れに乗って、週に一度の安息日、というやつを体感するのも悪くない。


J は路傍に突き出た消火栓に腰かけ、煙草を取り出した。

今 J がいる辺りは狭い道が幾つも交差して雑多な区画を構成しているため、
通り抜けようとする車はほとんどなく、
子ども達が路上で遊ぶ姿にものびやかさが感じられる。

もともと、車を所有している住人自体が少ないのだ。
J の事務所にも、一応ガレージらしきものはあるのだが、
本来の目的のために使われることはほとんどなく、物置と化している。
もっとも、車に乗るのは諛左だけであり、
諛左自身は、事務所から少し離れた大通りにある駐車スペースを借りているため、
ガレージが物置以外の用途で使われることは、ここしばらくないだろう。

この界隈の交通手段はもっぱら公共バスである。
マーケットへ買い物に行くにも、センターエリアの職場まで出勤するのも
大抵の場合、人々はバスに乗って移動する。
歩くのが苦にならない J 自身は、基本的に徒歩で移動することが多いが、
それでも気分によっては、外出の際はバスを利用することもある。

だが今日の J は、車窓からではなく、じかに街を眺めたい気分だった。
休日だから、という、意味があるような、ないような定義が
その気分に拍車をかけている。



→ ACT 4-5 へ

プロフィール
HN:
J. MOON
性別:
女性
自己紹介:
本を読んだり、文を書いたり、写真を撮ったり、絵を描いたり、音楽を聴いたり…。いろいろなことをやってみたい今日この頃。
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