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蝶になった夢を見るのは私か それとも 蝶の夢の中にいるのが私なのか 夢はうつつ うつつは夢


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文章を書いていると、たまに、ホントにたまーに心底書くのがイヤになるときがあります。

それは例えば、なかなか筆が進まないときや
プロットがまとまらないとき、
それに、他の人のすごい作品を読んだときなどに、よくあります。

一気に自信がなくなるんです。

自分の書いているものが、なんぼのもんじゃい、という気になってしまうんですよね。
そりゃもう、急激に、です。

こんなありがちな設定、読んでて何がおもしろい?
こんなキャラクター、魅力あるの?
ストーリー展開が、ちょっとおかしくない?

……などなど、ドツボにはまると、次から次へと自分の文章の悪いところが目について
もうそうなると、書くどころではない心境になってしまいます。
超ネガティブ状態。どう考えても悪い方向に。

そこから浮上するのはラクではありません。

で、私の場合、そういう状態になったら
逆にもっと自分の文章を辛辣に批判します。

文章分かりにく過ぎ。
漢字使えばいいってもんじゃない。
書くの、遅すぎ。
どこがいいんだ、こんな文章。
ファンタジーだから「魔法」って、単純すぎるだろ。
これで巧く書けてると、思ってんの?
ただの自己満足じゃないの?

まあ、批判というよりは、自分の文章に対する悪口雑言ってところ。
ひどい時には人格否定にまでエキサイトすることも。
もはやメンタル修羅場です。

言っておきますが、ワタクシ、決してMではございません。
どちらだと言われると、確かに若干M寄りですが
自分の文章を悪し様に言って、それが快感、というわけでは決してないですから。

ただ、そうやって自分の書いたものを散々悪く言った後に
改めて、読み返してみます。

そしたら
「いや、でも、そこまでヒドい文章でもないんじゃない……かな?」
という気持ちになります。

で、どんどん読んでいくうちに
「んー、まあ、そんな、絶望的に分かりにくい、っていうこともない……かな?」とか
「こういう設定もアリ……なんじゃない?」というふうに
控えめに自分の文章の肯定が始まります。

そして最後には
「うん……こんな感じで書き続けても、まあいい……かな」
というところにようやく落ち着きます。
そうなるまでに、1日、2日かかることもありますが。

で、浮上完了。

とにかく、一度とことんまで落として、そのあと回復をはかる、というやり方です。

結局、自分の書いたものへの自信のなさよりも
書いたものへの愛着、書くことへの愛着の方が勝る、という感じですね。
そして、自分が本当に求めているものは自分の書いている文章の中にしかないんだ、と思うことで
また書くことができるようになります。

浮き沈みが激しいのかな、私の性格。
それとも、ちょっとしたことに影響されやすい?
あるいは、重く考えすぎる?

まあ、いずれにしても、自分で解決できるうちは問題なし、ということで
メンタル修羅場は幕を閉じるのでした。やれやれ。

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毎年石川県の金沢市で開催されているクリエート系のイベント「eAT(イート) KANAZAWA」。
友だちから「行けなくなったから、セミナーのチケットあげる」というありがたいお言葉をいただき、
ラッキーとばかりに行ってきました。

狙いは今回の総合プロデューサーである、しりあがり寿氏。
描いてるマンガ以外は、本人のことをよく知らなかったので
ヤターッと浮っき浮き気分で出かけました。

今回のeATセミナーは、
マンガ、アニメ、ゲーム業界の今後を語る……というテーマで
各ジャンル別に3つのセミナーが開催され
しりあがりさんは、もちろんマンガ業界についてのコーディネーター。

……なのですが、しりあがりさんって話すのがちょっと苦手かな……という印象を受けました。
いちおう司会的な役割なんですが、あまりまとまりがなくて、進行もイマイチな感じ。
シュールな漫画家だし、マジメなテーマについて語るのはちょっと荷が重すぎたんでしょうか……。
でも、ダ・ヴィンチの編集長や、ガロの編集長もゲストで来ていて
なかなか興味深い話が聞けました。

それよりも、ゲーム業界についてのセミナーの方がオモロかった!
任天堂専務が語るDSやWiiのウラ話とかがメインでしたが
CMディレクターの中島信也さんが、まあ、よーしゃべる。
関西人独特のノリってやつ? かなり笑わせていただきました。
でも、笑わせるだけじゃなく、聞くべきところはちゃんとあるのが、すごい。
クリエーターにとって大切な、そして基本的な制作の姿勢を語ってくれました。

朝10時から夕方4時まで、6時間のカンヅメ状態はなかなかキツかったですが
普段は絶対会えない人たちを見ることができたので、○。

元の会社の友だちもたくさん来ていて、懐かしかった。
でも、会いたくない上司とかが来てないか、思わず周囲をチェックしてしまいました……。

ブログをやっててよく聞く言葉「トラックバック」。
実はワタクシ、この仕組みがいまだによく分かっておりません。

初めて「トラバ」という文字を見たときは
「トラバ? 何? フラバの仲間?」などと思ったりして。
友人には「違う、スタバの仲間だ」とウソつかれました。

何となく、何となーくは分かるんです。
誰かの書いた記事を参考にして記事を書いたときに、
その誰かに「参考にしました!」的な連絡をする仕組み……。

頭の中では分かるんですが。

うーん。

私がランキング参加している「にほんブログ村」にはトラコミュというものがありますが、
トラックバック自体が分からないので、
もちろんトラコミュとゆーやつもどんな感じなのか分かりません。
いずれそちらにも参加してみたい、とは思っているんですが……。

情けないけど、もう少しブログに詳しくなってからにしよう……。
自分一人でちまちまと記事を書いている分には、今のままでもいいんですが
他のブロガーの方ともコミュニケーションとってみたいし。

そういえば、友人たちにブログのURLを教えろ教えろ、と言われているんですが
まだ心の準備が。
「見てほしいから、ブログ作ったんじゃないのー?」とか言われて
まあ、その通りなんですが。

でも、知り合いに見せるのは恥ずかしいっつーの。
なんか自分が小さい頃のことをよく知っている親戚のオジサン、オバサンに
成人式の写真見られるみたいで。

サフィラは女騎士に近づこうとしたが、ふと、あることに気づいて動きを止めた。

女騎士の優美な肢体の周囲に、何かがまとわりついている。
辺りを染める灰色の闇とは異なる、それよりも黒く、かすかな何か。
目を凝らせば、それはやわらかに女騎士を取り巻いて、それでいて決して自分からは離れようとしない煙のように蠢いていた。

それは幼い頃にサフィラが森の茂みを抜けたとき、いつのまにか全身を覆っていた蜘蛛の巣に似ていた。払っても払っても取り去ることができず、密着した糸の感触の気味悪さにぞっとした、あのときの蜘蛛の巣。
そのときと同じような、いや、それ以上の悪寒が、ぞくり、とサフィラの背筋に走る。
今、女騎士を取り巻いている糸には不愉快さを上回るほどの忌まわしさが感じられた。

再びサフィラの顔を見た女騎士は、その表情に浮かぶ困惑とかすかな嫌悪に気づいたようだった。

 ……その目にどのように映ったかは知らぬが……

女騎士が語る。

 ……お前の心に結んだ心象こそが、今の私の姿
 ……目覚めてからずっと
 ……私は……

女騎士は気鬱な様子で自らの身体を覆う糸をゆっくりと振り払ったが、一度離れた後も糸は再び縒り集まり、騎士の身体に付着する。一瞬サフィラにはそれがか細い鎖のように見えた。

囚われているのか。
サフィラは唐突に思った。
身を覆う糸は女騎士をこの灰色の闇に絡め取っておくためのもので、騎士はそれから逃れることができないのではないか。
だが縛めだとしたら何のために。
この輝かしい女騎士を捕らえておこうとしているのは、一体何者なのだろう。

少しずつ、女騎士の姿がサフィラの視界の中でぼやけていく。
目の前の像が消えてしまう前にサフィラは問うた。

「貴女は、誰だ」

 ……我が名は

女騎士がそう答える頃には輝ける姿はすでに灰色の闇と同化し、その場に佇んでいるのはサフィラのみとなった。騎士の凍えた声だけがサフィラの耳を打つ。

 ……セオフィラス

「セオ…フィ……」

たった今聞いた名を口に出して確認する前に、誰かに髪を後ろから引かれるようにサフィラの意識が遠のいていく。
周囲がぐるぐると回り、以前見た夢の引き際がそうであったように、急速にサフィラはその幻というには余りに現実感のある世界から離れていった。


飛び起きたサフィラは、しばらくの間、夢と現実の境界で漂っていたが、やがて自分が部屋の寝台の上にいることに気づいた。
いつの間にか眠ってしまったらしい。婚約式を終えたことで気が抜けたのだろうか。
窓の外に目を向けると、すでに陽は落ちてまばゆい昼の光は夜の闇と入れ替わっていた。

夢を見たような気がする。
胸の内にかすかな引っ掛かりを感じたサフィラは、まだすっきりしない頭で考えた。
とても印象的な、心に残るような夢を。
だが、サフィラが寝台のシーツや窓の外の空に意識を向けた途端、夢の世界とつながっていた細い糸は切れてしまったらしい。ささやかな余韻だけがサフィラの中に残っていた。
大事な夢だったのではないか。覚えておくべきだったのでは。
しかしすでに逃げ去った夢の後を追うことはできず、サフィラは頭を振ってその余韻を追い出した。


          → 第三章・悪巧み 7へ

◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇


灰色の闇。
ところどころ濃い薄いのある靄が、水面に落とした古いインクのようにゆらゆらと漂いながらサフィラを包み込む。

まただ。
サフィラは、マティロウサの家で、そしてサリナスの家で体感した灰色の空間に再び自分が佇んでいることに気づいた。

ならば、今この瞬間も、夢のひとときに過ぎないのか?
誰にともなく問うサフィラに、勿論答えは返ってこない。

音もなく、周囲も見えない得体の知れない空間は、たった三度夢に描いただけなのに何故か昔から見知っていたかのような、むしろ「得体が知れない」こと以外はすべてを知り尽くしているかような不思議な既視感をサフィラにもたらした。
以前感じた息苦しさはない。まるで自分自身が灰色の闇の中に溶け込んでしまったかのようだ。

『あの人』 はどこだろう。

サフィラはゆっくりと首をめぐらせた。
厳しく凍てる眼で自分を見つめた、白い帷子の女騎士。
灰色の闇の中で出会った、やわらかな陽射しのような髪と沼のように深い瞳の騎士は。

さほど遠くないところに、サフィラは気配を感じた。
意図せずともサフィラの体がその方向へ向かって、空気の流れとともに緩やかに動き出す。

 ……お前を選んだことを……

声がした。

 ……許せとはいわぬ
 ……受け入れろ

声がするたびに先ほど感じた気配は濃くなり、やがてサフィラの目の前に人影が、最初はおぼろげに、そして次第に明らかな輪郭を伴って現れた。

 ……運命として

最後の言葉とともに、その人はサフィラの目を見た。
『あの人』 だ。白き騎士。

サフィラは今しがた耳にした言葉を己の口に出して確かめた。

「運命……選ぶ…」

自らの声が灰色の闇の中に四散するのを感じながら、それでもサフィラは騎士に問うた。

「運命とは……?」

女騎士の目が、初めてサフィラから反らされる。

初めてこの人を目にしたときは、ただ恐ろしかったサフィラだった。
だが今、その神々しいまでの美貌が曇り、まるで心のうちにある重い枷から逃れようとしているかのように、かすかな苦悶を浮かべている。
その表情は痛々しかった。


          → 第三章・悪巧み 6へ

これで最後です。

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28

……というオハナシでした。

プロフィール
HN:
J. MOON
性別:
女性
自己紹介:
本を読んだり、文を書いたり、写真を撮ったり、絵を描いたり、音楽を聴いたり…。いろいろなことをやってみたい今日この頃。
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