緑濃い夏の庭に様変わりしていました。
その中から、変り種を。
シロタエギク。
緑、というよりは、白い茎葉。
この葉っぱが、観賞用なのだとか。
群れて生えている様子は、さんご礁のように見えます。
イソギンチャクのような。うごめいても不思議じゃない。そんな印象。
指を近づけたら、食いつかれそうだ。
でなければ、ヒュルヒュルとツルを伸ばして、からみついてきそうな感じ。
花が落ちた後の額らしいけど、名前はわからない。
おう、薄紅色の可憐な……花かと思いきや、見る限りは、どうも葉っぱのようだ。
でも、遠くから見ると、ミドリ ~ シロ ~ ピンクのグラデーションがキレイ。
ホントの花のように見える。
ひっそり咲いていたから、なかなか気づかなかった。
今の季節に咲く花は少ないんだから、もっと堂々と、誇らしげに咲いてもいいのに。
なんか、はかない感じ。
こんなところに、ウサギみっけ。
親指のアタマくらいしかない、プチ白うさぎ。緑の中に、白い耳。
プレイボーイのマークみたいだけど、もっと清純派。
ツンと澄ました、お嬢様ウサギ。
でも、飛び跳ねることはなく、ただ風に揺れていた。
手持ちのデジカメで、
月の写真をなんとかうまく撮れないものか。
というようなことを、去年ぐらいから考えていて、
月がとっても青い夜などにカメラを取り出し、
いろいろ撮りまくっています。
この前、お盆で実家に帰っていた時、
雨降りながらも夜は晴れて、イイ感じの月夜空。
で、さっそくカメラ、カメラ。
絞りやスピードをいろいろ触って、
いろんなパターンで撮った中の一枚が、これ。
雲が月の光を反射して、
なかなか幻想的な感じになったのではないか、と。
まるで、空に 『眼』 があるような。
月は、ホントに不思議です。
ずっと見ていたいようでもあり、
こんなに照らされると、かえって目をそらしたくなるような気にもなり。
癒されながらも、なぜか静かに、静かに血が騒いでくる。
月を見ていると気が狂う、なんて物騒な話もありますが、判るような気もします。
そのうち、雲が出張ってきて。
月にむら雲、花に風。
ほんにあなたは、つれないお方。
でも、雲の風情も、なかなか。
あまりにも早く雲が流れていくので、
シャッタースピードを少し遅くして撮ってみたら。
雲の中を月が走っている。
いや、雲が月の周りを走っているのか。
走る月は、どこへ行く?
ドコニモ行かない。
空で光っているだけ。
見えている光は、8分前の月からやってきた光。
空白の8分間。
月と地球の距離。
FLY ME TO THE MOON。
8分かけて月まで行ったら、何がある?
……なんてコトを取り留めなく考えていたら、
ホントに気がおかしくなりそうになったので、撮影終了。
月を見ないように、網戸を閉める。
見ると、また撮りたくなるし。
でも、空からの誘惑に負けて
一度だけ、網戸ごしに月を見てみると。
網目のせいで、モアレ現象を起こした月の光が、
まるでヘリコプターのプロペラのようでもあり、
時々見かける、体が小さくて足が異様に長くて細いクモのようでもあり。
面白かったので、撮ってみた。
朝から、やたらめったらスズメが鳴きまくっていた。
ヂュンヂュンうるさいったら、ない。
何か面白いことでもあるのかと、ついベランダを覗いてみた。
鳴いているスズメを発見。
網戸を開けても逃げないところをみると、
どうやらこのスズメ、先日ブログにも書いた、哲学的思索に耽っていたあのスズメらしい。
(と、勝手に憶測)
このチープサイドくん (と、勝手に命名。出展:ドリトル先生)、
とにかく、鳴き続けている。
そのかまびすしいことといったら、もう。
鳴く。
鳴く。
鳴く。
場所を変えて、さらに鳴く。
すでにシャウト状態。
鳴き続け。
そして。
飽きたのか。
尋常ではなかった、あの鳴きっぷりは、一体何が目的だったのか。
誰かを呼んでいたのか。
でも、誰もこなかったし。
それとも、仲間に何かしらの危険を告げていたのか。
でも、こんなに近い位置からニンゲンにじっくり観察されているのに、
逃げもしないで、ただ鳴き続けているアナタの危機管理の方が心配。
もしかして、ネコ界では有名な、あの 「発情期」 が、実はスズメにもあるのか?
でも、その鳴き声に魅かれたっぽいスズメは現れなかった。
わからない。
しかし、この後、チープサイドは、何事もなかったように飛び去った。
疑問でいっぱいのワタシを置いて。
何だったんだ。
なんとも必死な、あの鳴き声。
オマケ。
飛び立つ直前、雨どいの下が気になったらしく
壁に止まって、見上げているチープサイド。
キツツキかい。
しかし、こんなにじっくり撮影させてくれるスズメも珍しい。
また来てね、チープサイド。
ぱーぷるの ACT 5 が、ようやく終了。
途中までウダウダしながら書き続け、最後は無理やりぶっちぎった感が
なきにしもあらず、ですが。
次回からは、ACT 6 。
この期に及んで、また登場人物が増えます。
一度、改めて人物紹介をした方がいいかな。
最初の頃に登場したキャラなんて、忘れてられそうだし。
やる気なし、怠惰でナマケモノ、そんな J をずっと通してきましたが、
ACT 5 の最後にきて、ケンカっぱやい、逆ギレ女になってしまいました。
言い訳ではありませんが、
J の口の悪さは、ワタシがそうだから、というわけではありません。
ワタシは、極めて大人しい平和嗜好者です (と信じています) から。
J だってニンゲンです。
ムシャクシャすることだってあるんです。
それはともかく。
気がついたら、ぱーぷるの掲載回数が、水晶よりも長くなってました。
でも、まだ中盤です。
章を追うごとに、自分の文章の欠点が見えてきますが、
あまり気にし過ぎないことにしました。書けなくなるので。
何よりも今は、完結めざして、終わらせることが第一。
ACT 6 に入る前に、しばらく小説の更新はお休みして、
当分は、つらつらと思ったことを日記に書くだけにします。
さてさて。
ようやく暑さもしのぎやすくなった今日この頃。
とはいっても、まだ北陸は蒸し暑いですが。
しばらくバタバタしていたせいもあって、
色々やりたいことがたくさんあったんですけど、全部ガマンしていました。
本も読みたいし、マンガも読みたい。
映画も見たい。
発売日に買ったものの、まったく手をつけていない DS のドラクエV もやりたいし。
写真も撮りたい。
友だちとランチにも行きたい。
どれだけ実現できるだろうか。
時間がいっぱい欲しいなあ……。
3対の視線の先に立っていたのは、新たに現れた2つの人影。
「……ぞ、増殖?」
素早く観察した J が、思わずそう呟いたのも無理はない。
片方は中肉中背、もう一人は、それよりもやや背が高くて痩せぎす。
そんな体格の差はあるものの、
今登場した2人も、いでたちは黒いスーツとサングラスである。
まるで、元からいた男達が細胞分裂したかのような奇妙な光景だが、
無関係の人間が道に迷ったか、酔いにまかせて
たまたまこの場に足を踏み入れてしまった、という状況ではないようだ。
同じファッションを見る限りでは、
J に相対する側の人間が、倍に増えたのは間違いないらしい。
さしずめ、男C、男D の登場、というところである。
男C とD は、その場にいた3人を見比べて、しばし立ち竦んでいたが、
今にも J に掴みかからんばかりの男A の形相を見て、おぼろげに事態を察したらしい。
たちまち警戒の空気が男達の周囲に漂い始める。
「……女一人が相手なのに応援を呼ぶとは」 J の声が蔑みを含む。
「てめーら、どんだけ能無しなんだ」
「呼んだわけではないんですが」
新参者2人を目にして、男B はあからさまにホッ……とした表情を浮かべた。
一人でタカギのお守りをするのは、やはり荷が重かった、という様子だ。
「我々の戻りが遅いので、気になって来てくれたんでしょうね」
「過保護だな。どこの箱入りだよ」
憤るというよりも、もはや呆れたような口調でそう言いながら、
J は4人の黒づくめを順に眺めた。
見れば見るほど、没個性の (しかも、お揃い) ファッションは、
もしかしたら冗談ではなく、この後本当に葬式に出席する予定でもあるのだろうか。
そんなことを考えているうちに、
勢いでケンカを買ったものの (別の意味では、『売った』 とも言えるが)、
新たに登場した男C、男D に出鼻をくじかれた、ということもあり、
ほんの少しだけ冷静さを取り戻した J は、
目の前の連中をまともに相手をするのが、何となくバカバカしく思えてきた。
『やや強』 から、再び 『弱』 へ。
高まっていた筈の J のテンションが、やや落ち始める。
しかし、男A の方は、そうはいかないらしい。
あくまでも臨戦態勢を崩さない。
「応援なんぞ必要ないっ」 男A は言い張った。
「こんな女、俺一人で充分だっ」
「……言ってくれるぜ、タカギさん」
男A の一言が、弱まりつつあった J の中の熾火に油を注いだ。
J の目が、すっと細くなる。
それを見て、男B が、ああ……、と再びため息をつく。
やはり一触即発は避けられないことを悟ったようである。
「てめーみたいにアメーバ並みの単細胞が、
何百集まったところで、ニンゲン様に敵うと思ってんのかよ、バーカ」
「くっ……」
J の挑発は容赦ない。
男B は、さらに重いため息とともに、男C、D に意味ありげな視線を投げた。
投げられた2人も、ここにきてようやく完全に事態を把握したようだ。
当初の目的とは関係ないところで、
何らかの (概ね、暴力的な) 決着をつけたがるタカギの短気は、男C、D も周知の事実らしい。
むしろ、今この状況の中、
2人はどこかしら面白そうな表情を浮かべてタカギと J の対峙を眺めていた。
加勢はせずに静観を決め込むことにしたようだ。
たとえ仲間内でも、タカギはさほど好かれていないのだろう。
辟易した表情を見せているのは男B だけである。
「お嬢さん、そんなこと言って……」 今更だが、という諦めの口調で男B はぞんざいに言った。
「ケガしても知りませんよ」
「ケガ? どっちが?」
J は男B にニヤリと笑ってみせた。
それはアリヲなどには決して見せない、かなり性悪な微笑みだった。
街灯の光を受けた J の顔に浮かぶ闘争心を目にして、
男B は、ほんの一瞬、不吉な予感にとらわれた。
そして、ほぼ30分後。
その予感は現実のものとなったのである。
-ACT 5- END
→ ACT 6-1 へ
いきなり態度を変えた目の前の女に対して、男達はしばし当惑の表情を隠せずにいた。
しかし、すぐに男A の方が、血の気が多い気質そのままに顔を赤らめ、
目を吊り上げて J を睨む。
「小娘がっ……」
男A は吐き捨てるように呟いた。
小馬鹿にされたり、罵られることに慣れていないのだろう。
今までに何人もの相手を圧し、脅し、
萎縮させるのに成功してきたであろう男A の負 - マイナス - の矜持が、
一筋の怯えも見せない J によってかすかに傷つけられた、それが許せないようだ。
一歩前に踏み出そうとする男A を、男B が慌てて止める。
「マズイっすよ、タカギさん。アイツの」
男B は男A をつい名前で呼び、顎で J を指した。
『お嬢さん』 呼ばわりするのは放棄したらしい。
「素性が判れば、それで済む話なんですから、
ハデな騒ぎになったら、こっちが面倒ですよ」
「ふん、こんなシケた空き地で騒いだところで、誰が見てるっていうんだ。
俺は、この女が気に入らねえ。素性なんて知ったこっちゃねえぞ」
「……てめーは、頭に血が上って人生失敗するタイプだな、タカギさん」
ふふん、と鼻を鳴らして J が冷たい目で相手を見る。
「気に入らないからって、ヒステリー起こして命令放棄してるようじゃ、
てめーの仕事っぷりも大したことねーぞ」
「な……」
赤いを通り越して、男A の顔色がどす黒くなっていく。
それに比例するように、J の口調は、ガラの悪さを増していった。
「だいたい、他人様を気に入る、気に入らない、って言えんのか、てめー。
脅して言うコト聞かせようとする男なんざ、今どきハヤんねーんだよ。
それとも、脅さないと女にも相手にされないか、あ?」
「このっ……」
もはや修復不可能である。
2人のやり取りを一歩離れたところで聞いていた男B はため息をついた。
感情を激するまでに費やす時間の短さ、という点だけに着目するなら、
自分の相棒であるタカギと、この女は似ているかもしれない。
男B はふと、そんなことを考えた。
意のままにならぬ相手に対して、あっけない程簡単にバトル・モードに突入したタカギ。
マシンガンのように悪辣な言葉を投げつける女。
そして不穏な会話に関して言えば、相棒の方が女に押されている。
悪意を込めた言葉を矢継ぎ早に、そして効果的に相手に繰り出せるほど、
タカギの頭は良くはない。
それに反して、女の方は、相手の激昂をあからさまに誘っているようで、
しかも、その目的を完全に達成している。
両者を交互に見ながら、それまでの涼しげな表情はどこへやら、
もはや諦めと焦りの混じった顔つきの男B を間に挟み、
似た者同士の2人は、牽制とも威嚇とも取れる険悪な視線を互いに相手に這わせた。
と。
緊迫した空気が流れる中。
3人の耳に、自分達のものではない足音が届いた。
男達の背後からである。
「お?」
J は音のした方向に目を凝らし、
残りの2人は、J の動向に注意を払いながらも、ゆっくりと振り返る。
→ ACT 5-27 (完) へ