今まで、フレッツ・モア ADSL でネットに接続していたけれど、
今日から光タイプになりました!
別にオモシロイ記事ではないけれど、うれしかったので書いてみた。
最近、接続が遅くて困っていたため、光かケーブルにしたかったんだけど、
アパート住まいなので、工事はムリだと諦めていた矢先。
アパートの管理会社が、
全室をフレッツ光マンション・タイプに切り替える、ということに決めたらしく、
晴れて回線工事をすることに。
で、現在、無事につながって、
久しぶりにグーグルアースなんかを見たりしています。
しばらく見てなかったから知らなかったんですが、
「グーグルスカイ」 という機能がついていて、天体の写真も見ることができました。
宇宙好きにはたまりません。
アンドロメダ星雲の美しいこと。
それと、フレッツが行っているサービスのひとつ、「フレッツ・スクウェア」 も覗いてみました。
無料動画配信やゲームが山ほどあり、
昔みていたダンクーガやラスカル、ビッケなどの懐かしいアニメなんかもあって
(といっても、無料なのはほとんど第一話だけですが)
しばらくはネット三昧の毎日になりそうです。
で、光タイプの使い勝手は、というと、
普通にサイトを開く分には、以前よりも断然早いです。当然か。
動画配信サイトや、ちょっと込み入ったサイトを開こうとすると、
若干時間がかかるとはいえ、やっぱり前よりも早い。
これで、前々から感じていた、接続が遅いことへのストレスはなくなりそうです。
それにしても、モデムからADSL、そして光……。
ネット接続の環境は確実に進化してますね。
56k のモデムで満足していた頃の自分が、今では信じられません。
3M 程度のコンテンツをダウンロードするにも、30分近くかかっていたんですから……。
通信だけではなく、パソコン自体も同じ。
Windows 95 の最初の頃には、2G の容量があれば全然オッケー……だったのに
今では100G、200G なんて、後付けのハードディスクぐらいにしかならない、なんて時代。
毎年のようにグレードアップしていて、今もっている型が、1、2年後には古くなってしまう。
ユーザとしては、あまり有難くない世の中の進歩ですが、
悲しいかな、その流れに慣らされて、もう昔の不便さには戻れません。
この先、どこまでバージョンアップしていくのやら。
まあ、取りあえず今は、進化したキカイとカンキョウを
十二分に満喫しているワタシなのでした。
あ、ネットはほどほどにして、小説の続きも早く書かないと……。
上司の強固な主張に反して、ショーンは異動もなく、
NO 直属の部下として現在も勤務している。
NO に唯一勝利した (暴力という手段ではあったが) ショーンという人材に
上層部すら不可能だった NO の制御役を押し付けようとしたのではないか。
それが署内のまことしやかな噂だった。
毒をもって猛毒を制す、というところである。
しかし、それで NO が大人しく引っ込んだかというと、決してそうではない。
本来ショーンに向けられるべき怒りの矛先が、
ショーンの先輩である不二沢へ、すべて回ってきてしまったのである。
不二沢にとっては、降ってわいた不幸としか言いようがない。
いっそう過激さを増した NO の容赦ない言動。
必要以上に無口で何を考えているか判らない、突発的感情人間ショーン。
両者の間に挟まれ、かくして不二沢は、さらに胃を患わせることとなったのである。
やはり職を変えるべきか。
ついに先日、件の医者から 『胃に穴、空きかけてるよ。切るか?』 と宣告された。
歯に衣着せぬ医者の言葉は、ある意味ではありがたいが、やはり迷惑である。
これまでに何度も考えた 「辞職」 という二文字が、
再び不二沢の頭の中をチラチラとよぎり出す。
人間関係の摩擦。
絵に描いたような退職理由。
「警察官」 という職業に問題があるのではない。
……いや、待った。
不二沢は自問自答する。
それ以前に、自分は今の仕事が好きなのだろうか。
警察官にこだわる必要がないのなら、辞職の決意はつきやすい筈だ。
勿論、再就職はそう簡単なことではないだろうが。
不二沢は再びショーンに目をやった。
この男は、辞めたいと思ったことはないのだろうか。
ショーンが NO について不平不満を言っている光景を、不二沢はほとんど見たことがない。
あの事件で NO を殴り倒したことで、ショーンの中では一応の自己完結に至ったようだ。
NO に対して思うところがないわけではないだろうが、
年々、無口に磨きがかかっているショーンだから、その心情は掴みにくい。
新人の頃は、まだ少しは可愛げがあったのに。
無表情なショーンの横顔を見ながら、不二沢はまたもやため息をついた。
では、自分が新米の頃はどうだっただろう。
不二沢は、緊張と期待を抱いて所轄の警察署に初出勤した当時のことを思い出した。
今から考えてみると、あの頃も大変ではあったが今よりは数段も充実していたように思う。
自分の職業にも誇りを持っていた。
6年前から、自分の理想とする道から外れてしまったような気がする。
いや、道自身が歪んでしまったような。
NO の部下となったあの日から。
すべてを上司のせいにするのは気が引けるが、事実、不二沢にはそう思えて仕方がない。
無駄な努力かもしれない、と思いつつ、不二沢は不二沢なりに 上司を理解しようとし、
これまでに何度か NO の長所を見出そうとしたこともある。
しかし、これが面白いほど見つからない。
口は悪い。
自己顕示欲は強い。
癇癪持ちで短気でワガママ。
身勝手で強引。
理不尽で頑固。
他人の意見を聞かない。
相手と場合によっては、暴力も辞さない。
堅気の人間には手こそ上げないものの、権力を振りかざし、圧を掛けずにはいられない……。
NO の欠点を教えろと言われれば、きっと不二沢は誰よりも多く数え上げることができるだろう。
→ ACT 6-5 へ
今年はバアチャンの13回忌でもあるので、一緒にお経を上げてもらいました。
お経の後は、住職さんの説話。
毎回のことですけれど、今回も、なかなか考えさせられるお話がありました。
お題は、「心の始末」。
人間、物の始末は誰でもやろうと思えばできるけれど、
心の始末は如何だろうか、という内容。
心の始末。
難しいことです。
いろいろなことで悩んだり苦しんだりしてしまうのは、
自分なりに 「心の始末」 ができていないから。
未練があったり、惜しむ気持ちがあったり、
妬んだり、恨んだり、怒ったり、迷ったり、
期待しすぎたり、後悔したり、見くだしたり、
そんなマイナスの気持ちを、うまく処理できないことは、しょっちゅうあるワケで。
そして、処理できないから、ますます悩んだりするワケで。
結局、住職さんのお話は、
まず、お祈りをして心を静めること、
そして、その後に考えるなり、決めるなりして、物事に取り組んでいくことが大事……
という仏教説法に落ち着いたんですが。
ミジュク者で、さほど信心深くもないワタシとしては、
お祈りをして心を静める、という第一歩がすでに難問。
108の煩悩の、どれひとつも振り払えないワタシが
そこまで達観できるまでには、まだまだ時間が必要なようです。
いつの日にか、何事にも動じず、
この世で感じるすべての感情のモヤモヤを自分の中から流し去り、
流れていったモノを、岸から眺めて笑っていられるような
そんな 「心の始末」 ができる人間になれるのでしょうか。
先は遠いや。
……なんか、説教くさい話になっちゃった。
まあ、ネタがネタだから。
そんな不二沢に吉報が届いたのは、2年前のことである。
NO の配下に、もう1人、部下が配属されることになった。
それが、今、自分の隣に立っているショーンである。
不二沢は横目でショーンを盗み見た。
見られた相手は、不二沢にちらりと視線を返したが、無言のまま、再び正面を向く。
うんざりしているようにも見えず、無表情な顔つきである。
ショーンはニホンと他国のハーフで、彫りの深い派手な顔立ちをしていた。
しかし、性格の方は外見に見事に反比例して、ごく地味である。
とにかく物静かで、いるのかいないのか判らない影のような男だった。
ボソボソと聞き取りにくい声で話すため他人との会話が続かない。
そのせいかどうかは不明だが、極端に口数が少ない。
今でこそ不二沢もショーンの言わんとすることを理解できるが、
当初は 「え? 何? え? え?」 と何度聞き返したか判らない。
「ショーンが口を開く時は、相棒の不二沢の通訳を必要とする」
署内では、そんなもっともらしい冗談まで飛び交った。
そんなショーンは、一部の女子職員の間では、ひそかな人気があり、
「彼が無口なのは、きっとシャイだから」 と噂されていることを、不二沢は別の同僚から聞いた。
だが、不二沢自身は、刑事としての洞察力や、相棒としての親近感を動員すればするほど、
ショーンをただの 『根が暗い人間』 としか思えない。
ショーンは、不二沢よりも2年ばかり刑事としての勤務年数が低い。
不二沢にとっては年齢的にも職務的にも後輩に当たる。
これまで自分1人で受けていた NO からの悪待遇も、
ショーンという対象が増えたことで半減する。
先輩としては不謹慎だが、単純にそう考えて不二沢は内心喜んだものだ。
しかし、予想通りに物事は立ち回らないものである。
不二沢がしみじみと実感するまで、そう時間がかからなかった。
普段は暗くて大人しいショーンだが、しかし、一度キレると手がつけられない状態になる。
それを不二沢が知ったのは、ショーンとともに行動するようになって間もない頃である。
そしてショーンの怒りを身を持って体験したのは、実は他ならぬ彼の上司である NO 自身であった。
ショーンの父親と兄は傭兵 -マセナリィ- だった。
父は、ここ50年間に起こった有名な内乱のうちの幾つかで活躍した強者であり、
兄は最近まで南国付近を根城にマセナリィとして活躍していた。
運悪く2人とも数年前にこの世を去っていたが、生前はかなりの殊勲を上げたらしい。
ショーンはそんな2人を心から尊敬していた。
それゆえ 「マセナリィ」 という職業自体に非常に好感を抱いている。
ところが、そんなショーンに反して、NO の方は大のマセナリィ嫌いで署内でも有名であった。
それは、たまたま上司と部下の間で交わされた他愛もない会話の中で起こった。
無遠慮にも NO が口にした
「マセナリィなんぞ、ただの人殺しだ」
という一言がショーンの逆鱗に触れてしまったのだ。
ショーンにとっては尊敬してやまない父親や兄そのものを 「人殺し」 と評されたも同然だった。
発作的に NO に飛びかかり、自らの上司を起き上がれなくなるまでに叩きのめしてしまったのだ。
「いやー、あれは凄かった」 後に不二沢が別の同僚に告白している。
「ショーンの目の色がカンペキ変わってて、俺も止めるのを躊躇ったくらいだ」
上司を再起不能寸前にまでしておきながら、
意外にもショーンの処置は停職処分という軽い沙汰で済まされた。
だからといって、NO 自身は部下から受けた屈辱とその処分に腹の内がおさまる筈はなかった。
→ ACT 6-4 へ
今までに撮った月の写真データを整理していたら、こんなのがあった。
これは拡大したものだけど、
月の表面の明暗が、けっこうくっきり写っていました。
絞りとスピードを調整して、できるだけ光を落として撮ったんですが、
普通のデジカメでも、ここまで写るのね。
ちょっと感動です。
思わず、小学生の時に買ってもらって、いまだに捨てずに置いてある
学研の星・星座図鑑を引っ張り出して、載ってる月の写真と見比べてしまいました。
満月のちょっと前くらいなので、左の部分が少し欠けてます。
暗い部分は 「海」と呼ばれる、平らな地面。
ぽつりぽつりとある白い斑点は、クレーター。
ウサギもカグヤヒメも見当たりません。
何かと、シンピ的なものの引き合いに出されることの多い月ですが、
こうやって見ると、明らかに天体物です。
こんなのが、空に浮いているんです。
といっても実際にぷかぷか漂ってるわけじゃないですが。
こんな写真を見ていると、子供の頃を思い出します。
小学生の頃、実は宇宙飛行士になりたかったワタシ。
星とか月とかばかり見ていました。
(だから、いまだに未練がましく図鑑をとってあったりする)
図鑑の写真を見ながら、
この星に行けたら、この星雲を近くで見ることができたら……
なんてことばかり考えていたユメミガチなワタシでしたが、
結局、その夢に向かって進む前に
ドリトル先生と出会ってしまって、
あっさり 「獣医になりたい」 と、夢を鞍替えしてしまいました。
今では、どちらの夢も一体どこへ行ってしまったか、
宇宙飛行士でも獣医でもないワタシが、ここにいます。
でも、あの頃と変わらず、月は空に輝いていて、
時々ワタシをノスタルジックな気分にしてくれます。
生きているうちに1度だけでも、
せめて月ぐらいには行けないものだろうか。
警察内部でも外の世界でもすこぶる悪評が高い NO には、目下2人の部下がいた。
その1人が不二沢である。
警察に務めて6年経つ。
金髪がかった明るい髪の色や、色白でぽっちゃりとした体付きが
見る者に 『仔豚』 を想像させて笑みを誘う、そんな男だった。
容貌もどことなくひょうきんで愛敬がある。
少し太り気味なことを除けば、血色のいい健康体に見える不二沢である。
しかし、NO の配下に回されて以来、神経性の胃炎に悩まさる日々が続いていた。
これは勿論、難事件や激務のせいでは決してなく、直属の上司に因るものである。
そういう意味では 「激務」 ではあったが。
不二沢は極めて平凡で常識派の男であり、
それは時に退屈さを伴う性分でもあるが、
取りあえずは慎ましやかな美点として他人も認めていた。
そんな彼にとって、NO の不遜で過激な言動に振り回されることは何よりも苦痛であった。
『何故そこまで?』 そう思うことはしょっちゅうであり、
しかも、上司の行動が 『何故』 という理由を伴うことは、ほとんどない。
とにかく、規格外の上司である。
元々はセンターエリアの本署勤務で、ある程度の実績を上げていた、と不二沢は聞いている。
しかし数年前、署内の汚職事件が原因となり、直接関わっていたわけではなかったが、
引責で否応なくダウンエリアの所轄署へ転属となった。
以降、NO の自暴的行動が始まることになる。
報告はしない。相談なく行動する。
上には反抗的、下には威圧的、気に入らない時は暴力的。
権力を笠に着て、無理を通して道理を無視する。
激しやすい性格ゆえに、行き過ぎた捜査を非難されることも少なくない……
というのは控えめな表現で、非難されないことは、ほとんどない。
NO の傍若無人ぶりが何故許されているのか。
それについては、様々な噂が飛び交っている。
腐っても鯛とはこのことで、本署時代のコネクションが NO を護っている。
あるいは、組織外で培った裏側の人脈が、無言のプレッシャーを与えている。
一番あり得ない (そして笑える) 理由としては、実はやんごとない出自だから、というものがある。
明らかに違う、と不二沢が確信している3番目の噂を除けば、
いずれも信憑性があるような、ないような、あやふやな流言ばかりである。
しかし、そのうちのどれかが当たっていたとしても、
NO の性格が改善されるわけではないので、憶測するだけ無駄なことであった。
上司だから耐えているのだ。
たえず、不二沢は自らに言い聞かせていた。
身分から言えば、到底逆らうことなど許されない。
たとえ、理不尽に小突かれたり罵倒されたりすることは日常茶飯事であっても、
挙げ句の果てに、
『いいよな、お前は。何の苦労も知らないツラして、ぶくぶく肥え太りやがってよ』 と
八つ当たりに近い言葉を被ることになっても。
不二沢は、目の前でふてぶてしく座る NO の後ろ姿に目をやりながら、小さくため息をついた。
『仕事、変えたら?』
検診の時に、かかり付けの医者が気の毒そうに、そう言ったことを不二沢は思い出す。
言われるまでもない。
尋常でないストレスに耐え切れずに辞めようと思ったことは何度もあった。
しかし、器用とは言いがたい自分には、他に何もできることはない。
手に職もない以上、再就職もままならないのは明らかだ。
上層部のお偉いさんならともかく、単なるヒラ刑事という経歴は、つぶしが利かないだろう。
それだけに、妻子や両親のことを考えると簡単に辞める決心もつかない。
そこまで考えて、結局、不二沢は書きかけた辞表を破り捨てるのだ。
耐えるのも、仕事の内、とは自分のためにある言葉なのかもしれない。
それが、今のところ不二沢の唯一の座右の銘であった。
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