今日は不思議なくらい何もない日でした。
「ぼくのなつやすみ」というゲームで、
夏休みに田舎にやってきた男の子が、1日の終わりに日記を書くんですが、
特にイベントがらみの出来事がない日は、
いつも 「今日は何もないすばらしい日だった。」という言葉がつづられます。
何もない、すばらしい日。
数年前、このゲームをやっていた頃は、
何もなかった一日に「素晴らしい」という感想を持てるほど
達観できていなかったワタシ。
なんにも起こらないのに、何がオモシロイの?
夏休みは毎日が休みなのに、そんなんじゃツマラナイんじゃないの?
子どものくせに。
そんなん、素晴らしくあるか。
……などと、ゲームなのに、ついツッコんでしまうこともありましたが。
休日や週末の予定がないと「ど、どうしよう!」 と焦っていたあの頃。
無理やり飲み会や外出の予定を入れたりなんかして、
今にして思えば、何をそんなに焦ってたのか。
せっかくの休みなんだから、
何かオモシロイことがないと、いけない。
何かシゲキがないと、いけない。
誰かに会わないと、いけない。
外に出ないと、いけない。
そんな切羽詰った心境で日々を送っていたんでしょうね。
そうしないと、世の中から取り残されそうな気もしてましたし。
とにかく、ムキになってました。
でも、そうじゃない。
たとえイベントみたいなことが起こらなくても、
日常生活、と呼ばれる時間の中には、
小さくてもオモシロイこと、印象に残ることが、たくさんある。
自分の興味を少なからず引くものがあって、
その一つひとつを楽しめれば、それは十分「素晴らしい」こと。
そして、たとえそんな小さなことすら起こらなかったとしても
それはそれでイイじゃない。
何も起こらない一日、というのは、
逆に考えれば、何にでも使える一日。
自分の好きなように時間を過ごすことができる、
それはそれで得がたい日。
……と、いうふうに思えるようになったのは、
今の年代になってからなんですけどね。
昔は決してそんなふうに考えることができなかったんですけど。
この心境の変化は何なんでしょう。
ふっ切れたのか。
はたまた、枯れたのか。
……どっちもビミョー。
まあ、ともかく。
「ぼくなつ」のボクちゃんのように
釣りで大物を釣ったり、
アサガオが咲いたのを喜んだり、
ジュース瓶の王冠を拾ったり、
虫ずもうで勝ち進んだり……というようなことは一切ない毎日ですが、
その中でも今日は、何もないすばらしい日でした。