タバコ

いつものコンビニ行って、
いつものようにタバコを買おうとすると。

「えーっと、カートンで……」

「ピアニッシモ・ペシェですね」

「え」

「少々お待ちください」

「……」


こちらが銘柄を言う前に、なぜ判る、店員。
エスパー？ 伊東？

なワケはない。


どうやら何度も買いに来るうちに、
顔を覚えられてしまったようだ。

あまりに来るから、
もしかしたら、裏で 『ペシェ』 とか呼ばれてるのかもしれない、ワタシ。

『そろそろ、ペシェが来そうだから、カートン切れないように用意しとけ』
とか言われてたりしたら、ちょっと恥ずかしい。
いや、かなり恥ずかしい。

という妄想はおいといて。

うーん、それにしても、
週一ペースは、やはり買いすぎか。


禁煙しようかな。


……などと、
できもしないことを、ふと考えてみる
女一匹、ウン十ウン歳、
とある春の日の出来事でした。



禁煙といえば、思い出すことがある。

テレビで言ってた、某野球選手のコメント。

『本気で禁煙しようと思えば、自分はいつでもできる。
すぐにタバコをやめる自信がある』

『ほう』 と、司会者。『では、今は？』

『今は、特にやめる必要がないから吸っているだけで、
いざ、となれば、すぐにやめられる』

司会者 『……』

聞いていたワタシも 『……』。

要するに、
やめられないから、吸ってんだろーが。


人は、この選手を 『禁煙の達人』 と呼ぶそうだ。

そんな達人、あるか。