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蝶になった夢を見るのは私か それとも 蝶の夢の中にいるのが私なのか 夢はうつつ うつつは夢


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ヘンな夢を見た。
ヘンといっても奇妙キテレツという夢ではなくて、
なんでこんな夢を見るんだろうワタシが、というような夢。

というのも、それは、あろうことか
「ワタシが結婚しようとしている」 夢なのだ。


始まりは、ワタシの家。
家族総出で、式場へ向かう準備をしている。
だいぶ前に亡くなったバアチャンまでいるではないか。
なぜ? と疑問に思うこともなく、周囲を眺めているワタシ。
やたら慌しい。
まわりにいる人間全員が動き回っている。
その中で、ワタシは1人ボーッとしている。
「ああ、そうか」 とワタシは気づく。
「ワタシ、今日、結婚しに行くんだった」

『結婚しに行く』 という表現はおかしいけど、
夢の中でハッキリそう思ったのは覚えている。

そのうちにタクシーが来て、家族とワタシが家の外に出て、
タクシーに乗るのかと思ったら、そのまま歩いて式場へ。
乗らんのかい、というツッコミもなく。

せかせかと歩かされて、着いたところは、教会でも神社でもなく、木造平屋の古い日本住宅。
家の前には、知人友人が集まっていて、なぜか、その中にワタシの母もいる。
あれ、お母さん。さっき一緒に家を出てきたハズでしょ?
なんで先に着いてるの? というツッコミも、もちろんなく。

「早く早く」 と母にせかされ、
家の中の和室に入り、そこで着付けをされるがままのワタシ。
畳の上には、色とりどりの着物。
おお、なんとなく横溝正史の世界。
さっきと同じように周囲では慌しく人が動き回っているのに、
ワタシは相変わらずボーッとしたまま。
心の中で 「ふーん、結婚って、こーゆーもんか」 などとノンキなことを考えてるうちに
準備が終わり、さて……


……というところで、何の結末もなく夢が終わり、目が覚めた。


なんだこれ。
なんで、こんな夢を?

自分が結婚しようとする夢なんて、生まれてこの方、見たことがない。
普段は結婚のことなんて考えてもいないのに、なぜ?

?????


推測その1。
寝る前に、そのテの、つまり 「結婚」 関連の本を読んだか、
あるいはドラマを見て、それに影響されて夢を見た。

ブー。はずれ。
読んでないし、見てもいない。
読んでいたのは 「ドリトル先生アフリカゆき」(懐かしくて読み返していた)。


推測その2。
最近、友人か知人が結婚したので
それに影響されて夢を見た。

ブー。
これもなし。
去年の年末に、
嫁にいった姉貴が 「別れるかも」 と実家に電話してきたことはあるけど。


推測その3。
「そのうちに、こういうことが起こる」 という、
人智を超えた遥か高次元の存在から、夢を通じて送られてきたメッセージ。
あるいは予言。

……。
……。
ノーコメント。


推測その4。
「もうしばらくは1人のまま自由でいたい」 と思いながらも、
実は心の底では、結婚したい、と思っていて、
その深層心理が夢に出てきた。

ブー……と言いたいところだけど、迷うところ。
結婚したらどうなるだろう、と考えることは確かにあるけど、
ハッキリ 「したい」 と思ったことはない。
もしかしたら、気づかないところで、結婚したいと思っているのかもしれない。
でも、そうじゃないかもしれない。
無意識下の深層心理のことまでは、ワタシ責任持てません。


ただ、気になるのは、
夢の中のワタシが、まったくの受身だったこと。
ボーッとしたまま、自発的に何かをするでもなく、言うでもなく、
ただ回りの人たちを見てただけ。

ものすごくリラックスしたノンビリ気分だったのは覚えてるけど、
「もうすぐ結婚するんだわ♪」 的なウキウキ感もなく、
かといって、「絶対イヤ!」 という反抗心もなく、
「どうしよう……」 という迷いもなく、
ただ、他人事のように、そこにいただけ。

そもそも、ダンナになるはずの相手の男はまったく登場せず、
夢の中のワタシも、ダンナのことなどまったく考えていなかった。
「みんな、忙しそうだなあ」 とか
「着物、きれいだなあ」 とか
「この部屋、広いなあ」 とか、
そんなことばかり考えていたのを覚えている。

なんだろう、
自分の結婚の準備風景を、ブラウン管の向こうから冷静に眺めている感じ。


てなことを、つらつら考えてみると
やっぱり 「結婚したい」という深層心理があるようにも思えない。
淡白すぎる。


じゃあ、なんだ?
わかりません。


結局、この夢に対するモヤモヤ感は消えないままですが、
夢の世界というヤツは決して理屈で片付けられるものでもないし、
自分で勝手に解釈すればいーや、ということで、気にしないことにします。

ま、いっか?

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